左義長(かんじょ)
岩船の正月行事、左義長。岩船では「かんじょ」と呼びます。小正月に正月の飾りつけや、注連縄などを燃やし、一年の無病息災を願う火祭りです。
以前は1月15日に行っていましたが、祝日法の改正で今は成人の日の日曜日あたりに行われます。さて、どうして岩船では「かんじょ」と呼ぶのでしょうか?
私見ですが、岩船では去年神社からのお札をこの時に燃やします。
このお札を包んでいる紙を注連縄の紙垂(しで)のようにします。垂れている数によって、三かんじょ、五かんじょ、七かんじょと呼びます。
このようなことから「かんじょ」と呼ぶようになったのでないかと思います。
この「かんじょ」、冬休みの間、子どもたちが活躍します。 各家庭を廻り、かんじょで燃やすお札や注連縄などを集めに回ります。 そして、小正月(今は成人の日か、その日曜日)の前日に子どもたちが「かんじょ」を告げるため町内を回ります。 「うえのぼー、したのぼー、ぼーぼー、さぎちょう」 この声を聞いて各家庭ではかんじょに出かける支度を始めます。 何周かして空が明けはじめてくると、いよいよ、かんじょに火を点けます。 火が点くと、子どもたちは、 「灰なっつおー(灰になるぞ)、灰なっつおー(灰になるぞ)」と町内を回ります。
子どもたちが戻ってくる頃、火の勢いも最高潮を迎え、集まった人たちで賑わいます。 大人たちにはお神酒が振る舞われ、子どもたちは餅を焼いたりします。
約二時間ほど燃え続けたかんじょはやがて灰になり、終わりのときを迎えます。